ドリアン・グレイの肖像

新国立劇場 ドリアングレイの肖像 9/3f:id:sgst22:20150905124338j:plain

ジャニヲタなのに夏の現場を訪れないなんてそんなんじゃわたしの夏が終われないじゃない!と謎の焦燥感に駆られたので久しぶりに優馬さんを拝見しようとドリアングレイにたどり着いたわけであります。まともに優馬さんを拝見するのは恐らくミシピの握手会以来なのでざっと3年くらいでしょうか。TVでは勿論見ていますよ雑誌でも。でも開演前は緊張しました。高揚感というか気まぐれで来たもののめちゃくちゃ楽しみにしてて事前に小説読んで内容掴んでおこうかと思ったけど舞台は舞台で楽しめばいいんですよと第三者から言われたためそうして来たわけだけど始まってみれば優馬の美しさと流れるような台詞が自然と耳に入ってきて何の障害もなく物語に引き込まれました。徳山さんの発声は流石と言うかなんつーか経験値高いのがビシバシ伝わってきた。ヘンリーの言葉にドリアンが翻弄されるのは致し方ないことだとさえ思わせる巧みな話術でした。でもヘンリーはどこが一歩引いて周りを見ているような感じが観客とリンクしてたかなぁ。ドリアンが墜落していく様には胸痛んだけどそれを含めて彼自身は魅力的だった。終わり方は切なかった。若さと引き換えにどんどん醜くなる心を抱えて生きることは幸せだったのかな。皆と一緒に年を重ねて老いを感じていく道、普通の人生を歩んでたらどうなっていたんだろうななんて思った。もしあのときあーしてたらあぁなっていたのかなとかこうしてたらこうなったかなとか憶測を立ててみるのも面白い。普通の人生だったら皆悲しい最期にならずに済んだのかななんて。考えても仕方のないことを考えた。 こんなに話にのめり込むのは久しぶりで、小説も取り寄せて読んでる。お気に入りのフレーズがあって、『いい影響などというものは存在しないんですよ、グレイさん。影響というのはつねに不道徳なものです。』※1 っていうヘンリーの言葉。まだ続くんだけど。なんとなく自分の中に残したい台詞だったんだよね。舞台でも言ってたよねこの台詞!その瞬間ドリアングレイの世界にぐぅーーーっと入って行ったんだよー。ヘンリーの言葉を飲み込むしかなかったというかなんというかその状況ではヘンリーの言ってることが真実で他のことを受け入れる隙なんてなかったような気がして。そんな感覚になったことが後々面白いと思えて。まだまだ小説は読み途中なんだけどこの世界観にまだまだどっぷりハマりそうです。 ※1 ドリアン・グレイの肖像 著者ワイルド 光文社2006年 参照